木は樹種により様々な特徴があり、どのような加工に適しているか、その特性によって異なります。
その素材の特徴を最大限に生かすことで、より強度を高める「つくり」が実現します。

世界で主に使用されている材について、前半と後半に分けてご紹介いたします。

 

<前半>

■German beech(ブナ科ブナ属)

ドングリのなる木で有名なブナ。ブナの種類は600種ほどあり、世界中に豊富に存在する木材で、主に日本・北米・ヨーロッパ・ドイツを原産とします。AREAで使用しているブナはその中でも最も美しいジャーマンビーチです。
素材として、国産のブナはねじれやすく、色むらが出るなど材質にクセがあります。一方、ジャーマンビーチは長い材料が取れ、ねじれが少なく、偽心材が少ないことから色むらが出にくく良材が採れやすいといわれています。ブナの中でも 曲木に適している良材です。淡いピンク色を帯びたやさしい乳白色をしていることから、「森の女王」と呼ばれています。

 

■檜(ヒノキ科ヒノキ属)

針葉樹の中でも最も水気・湿気に強く、軽いヒノキ。熱伝導率が低いため中心まで燃えない、火災にも強い優れた木材です。
江戸時代、尾張藩の財源「木曽五木」として保護され、珍重されてきました。1300 年の歴史をもつ奈良の法隆寺にも使用され、強度・耐朽性の高さは申し分ありません。

 

■Black walnut(クルミ科クルミ属)

世界三大銘木のひとつ。寒い地域でしか育たないため、太りにくく中身が詰まって育つため、細く繊細な木目が表れます。
油分を含むウォールナットは使い込むだけ艶が出るため、古くから高級家具や楽器の材料としても親しまれています。経年変化で色が明るくなっていく特徴を持っています。

 

■Black cherry(バラ科サクラ属)

アメリカに30種ほどあるとされるサクラ属。その中でもアメリカンブラックチェリーが最高とされています。
淡い桃色からアメ色の濃い赤褐色に経年変化します。使い込むほどに風合いの出るため、アンティーク家具としても、日本にもファンの多い木材のひとつです。

 

■Teak(クマツヅラ科チーク属)

植林が進んでいるためジャワ産が一般的に使用されますが、天然木としてはミャンマー産が「本チーク」であり、一級品とされます。
耐朽性に富み、良質な油・木製タールが含まれていることで、鉄の腐食を防ぎ、錆びにくくすることから、古くから造船材や外用の家具材として使用されてきました。

 

■Rosewood(マメ科ツルサイカチ属)

上品な深い色合いが人気のローズウッドは材料からバラのような香りがすることから、この名が付いたといいます。
ブラジル産はワシントン条約で伐採が禁止されました。加工してからの狂いがとても少なく、老木ほど高価に取り扱われます。仲間として東南アジア産の紫檀が有名です。

 

■Mahogany(センダン科マホガニー属)

ホンジュラス産が一級品とされているが、ワシントン条約で伐採が禁止されたため、日本に丸太のまま輸入されることはなくなりました。
今日ではアフリカ産が一般的に使用されています。ギターのネックなどに使用され、世界的に慕われている高級木材のひとつです。

 

 

<後半>の記事では、こちらのラインナップをご紹介いたします。

■White ahs(モクセイ科トネリコ属)

■Monkey pod(マメ科ネムノキ属)

■栃(トチノキ科トチノキ属)

■Oak(ブナ科コナラ属)

■Maple(カエデ科カエデ属)

■Claro walnut(クルミ科クルミ属)

■欅(ニレ科ケヤキ属)